半田ファームは、北海道・十勝 大樹町に位置する歴史ある酪農場で、チーズやヨーグルトの製造&販売を手掛けていらっしゃいます。
2017年からチーズ工房のチーズクロス(チーズを包み、表面を拭くための使用するガーゼ質の布)を乾かすためにタオルウォーマーPS HR(E)をお使い頂いております。また搾乳機が置かれたガレージには、凍結防止のために放射暖房PS HRヒータを採用して頂いております。
チーズという専門性の高い加工を行う現場において活躍する、PS ラジエータについてお話を伺いました。
半田康朗(はんだやすあき)さん
チーズ工房入口で活躍するPSHR(E)
〇半田ファーム×PS ラジエータ
―2017年からPS HR(E)をチーズクロスの乾燥のために使用され、今年で2年目となりますが、お使い頂きどうでしょうか。
半田様(以下敬称略) 「驚いているのは、チーズクロスの乾燥だけでなく、その横のチーズ工房の中の環境まで整えてくれているということです。タオルウォーマーPS HR(E)の温熱によって、雑菌の繁殖を抑えられる、ということを乾燥させているタオルだけでなく、空間に対しても有効だということを実感しています。PSラジエータが目的以上の効果を発揮してくれていて、嬉しいです」
―チーズ造りにとって、環境はどのように重要なのでしょうか。
半田 「日本は食品の衛生基準が、ヨーロッパや他の国と比較して非常に厳しいです。チーズ作りにおいて、衛生面を整えることは、チーズの価値を保つ上で重要です。PS HR(E)を導入することで、雑菌の繁殖やカビなどのリスクから解放され、良い湿度環境が生み出せるようになりました」
―衛生的な環境を整えるために、具体的にどんな工夫が必要になるのでしょうか?
半田 「例えばチーズクロスは、ヨーロッパでは乾燥した気候を活かし、外気に触れさせて乾かしているところもあります。でも、日本では雑菌の繁殖の恐れからも、工房内で使うタオルをそのように扱うことはしません。徹底的な衛生管理が求められます」
―康朗さんは、学生時代4年間フランスでチーズ作りを専門的に学ばれた経験を活かし、半田ファームのチーズ工房を担当されています。フランスでのチーズ造りと比較して、日本はどうでしょうか。
半田 「フランスなどヨーロッパのチーズ造りは、とにかく大規模。1つ1つのチーズを毎日、チーズクロスでメンテナンスしながら作るような伝統的な技法は、今ではあまりありません。
モールド(円形の筒、チーズの型)にはめて、一度熟成庫にいれたら完成まで触れないのが一般的。ただ、半田ファームでは、あえて伝統的な技法を用いています。一つ一つを丁寧に仕上げることで品質の良いものが生み出せると考えているからです。上質なチーズを生み出すため、毎日チーズをメンテナンスするためのクロスが必要です。その清潔さを保つため、クロスを乾燥させるPS HR(E)を、24時間365日運転しています」
〇夏と冬、変化する気候の中で
―十勝の湿度は一年を通してどうでしょうか?
半田 「蝦夷梅雨(えぞつゆ)という言葉もありますが、湿度が高すぎると感じている時期でも、工房内にPS HR(E)があると湿度の調節が可能になるので重宝しています。冬場は湿度が高く、また外との温度差で、ガレージの部分が凍結し非常に困っていましたが、PS HRヒータを導入したことで、凍結することもなくなり、シャッターの開け閉めが楽になりました」
―チーズ造りにとって、一年の季節や湿度の変化をどのように感じてらっしゃいますか?
半田 「夏のミルクは、ストレスが無く、水分量も少ないので味は濃い。それに加えてチーズの消費が冬に集中することを考えると、半年ほど熟成させるハードチーズが向いています。冬のミルクは脂肪分が多いですが、水分量も多いため、夏のミルクほど締まっていません。そのため、本来の瑞々しさを味わうような柔らかく熟成期間が短いチーズが向いています。半田ファームでは、一年を通して牛を放牧しており、その変化を楽しむことができます」
生き生きと暮らす牛たち
―チーズ造りという、温度と湿度の繊細なケアが必要になる専門性の高い空間で、PSラジエータが活用されていることを誇らしく思います。ありがとうございました。
出来立てフレッシュなモッツァレラチーズ。トマトと一緒に
インタビュー 2019年7月11日
〇製品情報
PS HRヒータ
PS HR(E)