日本、そして世界各地から、多様な食材が集まる、東京のスーパーマーケットですが、気候という視点から考えてみると、現在のスーパーにみられるのは大きく三種類。乾物の並ぶ買い物客のための気候か、夏でも身震いするほどに冷やされた冷蔵庫か、カチコチの冷凍庫。
そして家に帰ってくると、果物や野菜、味噌や醤油など、冷蔵庫では冷えすぎてしまうけれど、部屋は熱くなりすぎるし…といった品が意外とたくさんあることに気付きます。最近では、こだわりのワインやチョコレート等、保存に敏感な食品もふえてきました。
北イタリア-トスカーナの街の八百屋さんでは、お店の扉が開いたままになっていて、屋外のテント下の気候、外と中の中間の気候、そして奥の冷蔵庫に至るまで、段階的な気候がうまく使われていたのを思い出します。
また、週に何度か新鮮な食材が並べられる街中の朝市では、箱からあふれんばかりに旬の野菜や果物が屋外のテントの下に並べられます。この市は、早朝から始まり、日が高くなる昼前には大抵終わってしまうので、一年を通して、屋根のある屋外の気候がそのまま使われています。
そして、フィレンツェ中央駅近くには、大屋根の大空間が広がる中央市場があります。昨年、生鮮食品の市場の2階部分がリノベーションされ、食材をその場で調理してくれる大レストランができました。もともと新鮮な食材を並べるためにつくられた空間に、食べるための機能が加えられたので、気候や空間のつくりかたとしては、いつものレストランとは逆転の発想といえるでしょう。
食材は、それぞれが活き活きと過ごすための気候帯をもっているし、果実であれば成熟段階によって適切な気候帯も変わっていきます。食材を扱う専門家は、それぞれの食材の魅力を最大限魅きだすようなマーケットをつくりたいと、うずうずしているのではないでしょうか。
食材の活き活きとする姿から発想されたのが、地下の貯蔵庫のような気候をつくり出す「PS cantina/カンティーナ」ですから、まさに「食材のための気候」という視点から空間をデザインするのにぴったりのパートナーです。東京のマーケットやレストラン、そして家の中に、新しい食材のための気候帯をつくってみませんか?
PS dialogue 2015.02
食材の鮮度が
PS cantinaのバロメーター!(C)
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