季節の中で循環する新鮮空気

 

固定種の野菜は、
季節の循環の中ですくすくと育っていきます。
また、野菜そのものも次の世代、また次の世代と、
種(たね)を通じて循環していきます。

というのも、一番よく育った野菜から種を採り、
蒔いて育てるの繰り返しでつくられていくのが
固定種の野菜なのです。
まさに食の循環型生産です。

新鮮空気も同じではないでしょうか。
私たち人間や動物の体内を通った空気が、
植物や木々の間を通り、
風雨によって浄化され、また別の動物の体内を通る。
それの繰り返しです。
新鮮空気というのは、
生き物の身体を通って循環しているものでしょう。

 

では、新鮮空気は循環しているからいつも同じ?
それは違うのではないでしょうか。
なぜなら、私たちが循環させている空気には、
季節のにおいや季節の重みを含ませているからです。
夏は水分を含んだずしっとした空気。

水分を含んだ土からも夏のにおいがします。
一方、冬の空気はとても軽やかに感じられ、
肺の中にいくらでも吸い込めそうです。

循環していく空気のなかに、
ささやかな変化をもたらして、
くらしや文化を形成していくのが季節です。

PS dialogue 2015.02

 

今日の空気にはどんな季節がつまっているだろう?

 

 

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