「ピーエスの室内気候手帳 2013.10-2014.9 活動の秋から」をお手にとってくださっている皆様へ
ピーエスは週替わりの1年手帳を毎年1冊ずつ発行しており、今年で5回目となりました。私は、この手帳の編集と企画に携わっているjと申します。このピーエス手帳は、北海道から熊本まで各所のピーエス社員より皆様へお届けしております。発行部数は、今年は1500冊です。ピーエスをお使いいただいているお客様、日ごろ取り扱ってくださる建築や設備の設計者様、販売店様、ゼネコンやサブコンや工務店様、お付き合いのあるお客様にお届けしております。(手渡しでお一人お一人にお渡ししておりますので、すべてのお客様へお届けできていない状況ではありますが…。)
ピーエスが仕事にしているのは「快適」をつくることです。その中でも、湿度や温度や室内気候を専門としています。食事の美味しさが人それぞれであるように、快適さもまた人それぞれです。快適さは、その人の主観によるところが大きく、数値化するのが難しいものだと思います。それでも、ひとつひとつの現場ごとに、快適について、お客様や設計者の方と一緒に考え作っていきたいというピーエスの想いがあります。ピーエスの商品は買ってきて運転すれば良いものではありません。使い方や設置のデザイン、周囲の環境からよくよく考えていかなければ力を発揮できないものなのです。逆に、お客様や設計者の方一緒にと考えることで、最適なもっとも効果的な方法で快適な室内気候をつくることができるのです。ピーエス手帳は、お客様の主観的な快適についてお話を引き出すための道具です。言葉ではうまく言えないことも、手帳をきっかけにして対話が始まればと願っております。
先日8月31日(土)に、熊本のピーエスオランジュリという我が社のイノベーションセンターで小さな研究会を開きました。そこで、ピーエスの代表者の平山武久がピーエス手帳についてお話をしました。その内容を皆様にもお伝えしたいと思います。
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(「」かっこの中は平山武久のメッセージです。一言一句再現はしていませんのでご了承ください。)
「皆様、本日はお集まりいただきましてありがとうございます。夏の快適さを探求する、というときに、私は、“変化する”ということが非常に重要だと思います。自然は変化しますよね。朝と夜の24時間の変化、季節の変化、お天気の変化。室内の環境は変化するものだ、変化する自然を受け入れようという発想から快適さをつくるように考えれば、もっと自然な快適が省エネで実現できます。」
「それではピーエス手帳のページをめくってみましょう。最初のページは“ピーエスと一緒に気候旅行に出かけよう”です。日本は本当にそれぞれの地域に豊かな自然と気候がありますよね。今日は熊本で、快適さについて考えてみましょう。」
「次のページです。ダ・ヴィンチのスケッチを紹介しています。空気の流れを彼は考えていたのですね。温度の違う空気があれば、自然に空気が動きます。暖かい空気は上へ、涼しい空気は下へ流れます。これを自然対流といいます。このピーエスオランジュリも、自然対流の力でいつも新鮮な空気がゆっくりと動くように設計されています。吹き抜けのトップライトをご覧ください。暖かな(汚れた)空気が抜けられるように考えられています。皆さん空気の流れについて体を研ぎ澄ませてみてください。ゆっくりとした流れが感じられるようになりますよ。」
「さて次のページです。世界の緯度と日本列島が描かれています。一般には北海道は北欧のように寒いと思われていますが、緯度からいうとイタリアと同じです。北欧はもっと北。そして日本は太陽が強い国です。そのことをまず思い出して建物の工夫をすることが大切だと思います。よく言われるのが、設備を整えればそれがすべてを解決するのではないか、ということです。でも本当にそうでしょうか。いくら冷房設備があっても、天井や壁や窓ガラスから太陽の熱が室内に入ってきては快適にはなりません。日本では、太陽と上手に付き合う建物の工夫が欠かせません。逆に、太陽のエネルギーを味方にすれば、省エネでさらに快適な状況をつくりだすことができます。自然の快適さ、建物の工夫、そして設備というふうに、すべての力で総合的に快適さをつくるという考え方です。これを図解したのが次のページです。」
「そしてページをめくってみましょう。変化のグラフがでてきました。はじめに“変化を受け入れる”お話をしました。外が猛暑でものすごく暑いときに一生懸命設備をたくさん動かすのではなく、変化を受け入れます。特殊な環境を必要とする場所では変化するのはよくないですが、少なくとも私たち人間が活動するところでは、変化のあることが快適でいいものだと思いませんか。そして、その変化の幅を小さくすることは可能なのです。ピーエスの設備は連続運転をしますのですが、秘密はそこにあります。」
「…これ以上お話すると長くなってしまいますね。そういうわけで、本当はこれから始まる写真のページをひとつひとつお話したいのですが、時間が足りません。ひとつだけ、10月14日の週のページをあけてください。これはPS HR(E)というタオルかけの暖房機です。温暖な熊本ではなじみがないかもしれませんね。でもこれは一年中使います。バスタオルを乾かすことができるのです。よく脱衣室がかび臭いことがありますが、それは濡れたタオルに繁殖したカビの臭いです。ですから、タオルを乾かせば臭いもなくなります。お風呂から上がったきれいな体をふいたタオルですから、乾かせばまた何回か使えます。嫌な人もいますけれども。タオルを乾かして使えば、洗濯代や家事が減らせますよね。これって省エネです。そして、乾いたタオルって気持ちがいいんですよ。」
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それでは、最後まで読んでくださりありがとございました。ピーエス手帳を楽しんでお使いただければ幸いです。また、ご意見やご感想を是非お寄せください。好きも嫌いも歓迎です。お待ちしております。j
(窓口 ピーエス株式会社企画開発室 ps-dialogue@psk.co.jp tel.03-3469-7120)
PS dialogue.2013.9