ここは、心地よさを学ぶ教室です。
いろんな心地よさがあるということを、
これからみなさんは勉強するんですよ。
そういって、先生は微笑みました。
心地良さを学ぶ?
なんのために?
子どもたちは口々に叫びます。
そんなことわざわざ習わなくったってわかるよ!
ほんとうかしら?
この学校のたくさんの部屋は、ひとつずつ違った室内気候があるのです。
さあ、順番に訪ねてみましょうね。
やわらかい日差しが明るくぽかぽかとあたたかい春の庭のような部屋。
しっとりひんやり涼しい洞窟のような部屋。
照りつける日差しから逃がれて憩いたい大きな木の優しい日陰のような部屋。
優しい乾いた風が吹く秋の縁側のような部屋。
激しく吹雪く北風から守られたぬくぬくとあったかい冬の暖炉のような部屋。
どれも違った室内気候。そして、それぞれに違った心地よさがあります。
どうして心地よさは一つだけではないのでしょう?
先生は子供たちに質問します。
子どもたちは黙ってしまいました。
なぜ、心地よさは一つではないのかな?
どれがほんとうの心地よさなんだろう?
わたしが心地いいと思う室内気候は、あの子にも心地いいのかしら?
もしかして、心地いいって思う私のからだがいろいろに変わるから、
心地よさも一つじゃないのかな?
室内気候の学校は、旅行のように次から次へと室内気候をめぐります。
心地よさってどういうことなんだろう?
みなさん、いっしょに考えてみましょう。
PS dialogue.2013.9